フェレットが運動失調を起こす原因としてはいくつかの病気が考えられます。
どのような病気があり、それぞれの病気はどんな異常を起こすのかを調べてみました。
歩かない原因5つ?
原因1:骨折
フェレットは日常生活の中で骨折を起こしやすい動物です。
部屋で遊ばせているときにうっかり踏んでしまう、ドアに挟んでしまう、抱っこが嫌で人の腕から飛び降りる、高いところから飛び降りるなどの原因が考えられます。
またケージに入れているときでも隙間に手足や爪を引っかけ、外そうともがいているうちに骨折したり、高い位置に設置したロフトから落下して骨折したりしてしまう可能性があります。
症状は骨折した部位によって異なりますが、足を引きずって歩いたり足を床につけないようにするなどの異常が見られたり、ぐったりしている、触ろうとすると攻撃的になるなど行動が見られます。
骨折の治療方法は骨折の部位、状態、治癒の可能性、治療による骨への負担などさまざまな点を検討した上で決められますが、ごく軽度の骨折、固定が難しい指先の骨折などは運動制限によって自然治癒させる場合もあります。
原因2:インスリノーマ
インスリノーマとは、膵臓内の「ランゲルハンス島β細胞」というインスリンを分泌する組織に腫瘍ができる病気です。
4〜5歳以降になると増加します。
インスリノーマになると、腫瘍化したランゲルハンス島β細胞が多量のインスリンを分泌するようになります。
血糖値の濃度に関わらずインスリンの分泌が続くため、糖質の取り込みが止まらず低血糖を起こします。
空腹時に低血糖状態となりエネルギー不足になるため、元気がない、寝ていることが多い、起きていてもだるそうにしている、ぼんやりしているなどの症状が見られます。また軽度の低血糖では交感神経に関係する症状が見られます。
この中のひとつとして後ろ足に力がなくなるという症状があります。
インスリノーマは初期には症状がはっきりしないので、飼い主が気付かないうちにインスリノーマが進行していることがあります。4歳を過ぎたら定期的に健康診断を受診して血液検査をしてもらい、早期発見できるよう心がけましょう。
原因3:増殖性腸疾患
Lowsonia intracellularisという細菌が原因と考えられている腸の病気です。
特に14ヶ月未満の若いフェレットに多いと言われており、ストレスがあるときに発症しやすくなります。
慢性の下痢、血便、粘膜便などがあり、直腸脱を起こすこともあります。
下痢のために尾や会陰部が汚れていたり、排便時に痛がって鳴き声をあげたりします。
重症化すると運動失調(神経経路に問題があり思うような動きができない)、斜頚(首が傾く)、振戦(ふるえ)がみられることがあります。
抗生物質の投与で治療可能ですが、ストレスの少ない飼育環境を整え予防を心がけてください。
原因4:アリューシャン病
アリューシャン病は、パルボウィルスの感染によって起こるウィルス性の病気です。
ウィルスは肝臓や腎臓、脊椎、消化管などに感染します。
あまりはっきりとした症状はなく、慢性的な経過をたどりますが、いくつかある症状の中のひとつとして運動失調や四肢の麻痺があります。
治療法はまだ研究途上で、ステロイドやメラトニンによる治療が行われていますが有効な治療方法はありません。
またワクチンも存在しません。
予防策としては、定期検診のときなどに抗体検査を行っておきましょう。
原因5:リンパ腫
リンパ腫は、白血球のうちリンパ球ががん化して起こる病気です。頸部、腋窩、縦隔、鼠径部などのリンパ節に発生することが多いですが、全身どこのリンパ組織にもリンパ球は存在するため、リンパ組織のどこにでも発生する可能性があります。
若い個体でもみられる病気で、早ければ生後4ヶ月ほどで発症することもあります。
環境や遺伝、ウィルス性ではないかと考えられていますが、正確な原因は不明です。
元気がない、食欲がない、体重が減るなどの症状がありますが、明確に分かりにくい症状のため飼い主が気付かないうちに病状が進行していることがあります。
脊髄にリンパ腫ができた場合には麻痺などの神経症状が起こり、これが歩行困難として現れます。
治療としては抗がん剤による化学療法が行われます。切除しても腫瘍細胞を取り除ききれないため一般に切除手術は行いません。
リンパ腫を予防することは困難なので、適切な環境でストレスなく飼育することと早期発見を心がけましょう。
まとめ
「歩けない」という症状ひとつをとっても、軽度の骨折から悪性の腫瘍まで様々な可能性が考えられます。少しでもいつもと様子が違うと感じたらすぐに獣医へ連れて行くようにして、早期発見に努めましょう。
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